パラレル・ワールドの交差点!


 まさこの人生。定年退職後からは、ふたつの世界を行ったり来たり。
 てぃだがつくりだしてくれた、新しいつながりの世界。もう一つは、今のまさこ(人生の背骨)をつくってきた古くからの大切なつながりの世界。彦島と角島。二つの島を中心とする二つの世界。
 まさこの中に区別があったわけではないけれど、自然とそれぞれの場所で世界が育ち、大切なものとなり、しかし別々のものとして存在していたのも確かなことで。
 古くからの仲間たちとの日々で、少し疲れたらてぃだに出かけ、角島の海とてぃだの仲間たちの笑顔に癒される。心を解放して笑い合えるてぃだの仲間との世界は、なんだか非日常の別世界。そこで、英気を養って、元気を取り戻したら、また日常をがんばれる!そんなふうに暮らして来たような。
 それぞれ世界は別々で、交わることはなくてもいい。そこで見せる顔は少し違ったものだったかもしれないけれど、どちらもまさこという人間を取り巻く大切な世界で、違和感もなく、それぞれに幸せで。それでいい。
 ずっと大切したい、パラレル・ワールド。

 そう思ってきたけれど、ここ数年で、日常が大きく変化し、人生の選択を迫られる場面が増える度に、以前の自分とは、置かれる状況が大きく変化してきてしまった。
 二つの世界を行き来していて、仲間との信頼関係が深まるにつれ、どこにいてもまさこはまさことして分かってもらえるのではないか!という漠然としつつも強まる確信。
 1年くらい前のあるとき、思い切ってWhiteさんに自分のもう一つの立場を打ち明けてみた。こういうのをカミングアウトというのだなーと思いつつ、少しの緊張をもって。だけど、その際のあっけないほどの自然な受け止めに、自分が勝手に世界を二つに分けていたのかもしれないと、思えるようになってきた。
 その後も、てぃだの仲間は、何にも変わることなく、丸ごとまさこを受け止めてくれている。
 わたしはわたし。まさこは、どこにいてもまさこ。それで、いいんだなーと思えるところに、やっとたどり着いた気がした。

 先日、またもや人生の選択の崖っぷちに立って、泣きそうになりながら、大きな決断をしたときも、
 「自分の思うとおりにやってみたらいいんじゃないの。また、飲みましょう!近いうちに、我が家で」
 というルドルフさんのメッセージが届き、スマホ片手にそこで号泣してしまった。

 同時に並行して存在していた二つの世界。パラレル・ワールドの交差点で、まさこを応援してくれる仲間たちの存在を実感する。
 ルドルフさんの心尽くしの手料理。美味しいクラフトビールで乾杯🍻たまちゃんやトムも来て、にぎやかな晩餐。


 梅雨の時期、庭に置きっぱなしにしていた鉢に線状降水帯の豪雨が降り注ぎ、根腐れの危機に身を置いた我が家の薔薇。黒星病で葉が黄色くなり黒点に覆われて、葉という葉がすべて枯れて落ちてしまい、もうおしまいか!と思われる状態になっていた。
 玄関の軒下に鉢を移動して雨を避け、土を少し乾燥させて、そのあとは水やりだけ欠かさずにしていたら・・・、枝えだに新しい葉がつき、気づけば、黄色の小さな蕾が芽吹いている。「大丈夫、ちゃんと生きてるよ!」って伝えてくれてる。
 息絶えたか?とさえ思えた、いきものの生命力というものをこれほどに感じるなんて。
 そうね。たいそうに感じてしまう今の私の人生の選択も、生きてることのなかでは、たいしたことではないんだよね。
 そんなことを教えてくれる小さなかわいい薔薇の花。
 まさこはまさこの信じた道を行こう!