千の風になって


 18日。父の23回忌の法要のため、島根に向かいました。母も高齢なので、今回の法要で仕舞いにすることにしたそうです。片道3時間弱の道のりです。早朝、彦島を出発し、途中、山口市でトイレ休憩がてら😌瑠璃光寺の五重の塔を拝みました。
 津和野町青原にある善正寺が実家の菩提寺です。父は生前長くそのお寺の総代を務めていました。77歳で亡くなった父の葬儀には、500人を超える参列がありました。
 善正寺から国道までの参道の両側に延々と並ぶ、父との別れに集まって来られた大勢の人の列に、娘ながら驚いたことを覚えています。父は、こんなにもたくさんの人たちとつながり、親しまれていたんだなぁと、誇らしくも感じました。
 しがない田舎の木工所の大将でしかなかった父でしたが、日頃の仏頂面がお酒が入るとおしゃべりになり、楽しく笑いを振りまく人でした。お酒は人を楽しくさせる!と父をとおして教えられ、酒好きな大人に成長したのがまさこということです😆
 法要に向かう車の中で、父のことを思い浮かべると鼻の奥がツーンとしてきて、涙があふれてきます。
 「まっちゃん、せやーないよ!(大丈夫よ)」と言う声が聞こえるようです。
 振り返るに、まさこは父の影響を強く受けて育った娘だったんだなぁと思わされます。たくさんのメッセージをまさこの中に残した人でした。
 まさこが中学2年生の頃、母に「まっちゃんを先生にさせよう!」と持ちかけて、その道に進ませるよう企てていたのだとか、最近になって母から聞かされた秘密の話です。酒を飲むと笑える話がてんこ盛りの愉快な人柄の反面、真面目で、厳格な我が父の人生。けっこうな策士だったんだわー!と新たな一面を見せられた気がしたり。
 さて、善正寺に母、弟家族、妹夫婦、そして私たち夫婦が揃い、法衣を身に纏ったご院家さんが本堂に現れ、さあ始まる!ってとき、「あら?お父ちゃんはどこ?」とまさこの発した声に慌てる弟!!
 「忘れたーー!!」と立ち上がり、我が家にとって返しました。過去帳を家の仏壇に置いたままで来ていたのでした😮‍💨
 まさこの「お父ちゃんはどこ?」は、位牌とか写真とかのことを指したのですが、浄土真宗では位牌ではなく過去帳を持参するのだとか。もう少しのところでお父ちゃん抜きの法要になるところだった😰
 でも、まあ間に合って良かった良かった❣️
 そんなこんなの笑い🤣の中で、お父ちゃんの最後の法要は、無事終わりましたが・・・お寺から墓所に移動したら、今度は「線香がない!!」と弟。「誰か線香持ってないかねぇ」に「はあー???」「今日は何の日かね⁉️」とみんなのあきれ顔。でも心の中では吹き出してます。「やっぱりなー」「クシロあるあるやなー」と。これまで何度経験したかな、こんなこと🤣
 実家に帰ってからは、本当に久しぶりに客間の座敷で、みんなでお弁当をいただきました。クシロあるあるをネタに、涙流して大笑いをしながら・・・。
 これで、この日の行事の全てが終わる・・・そのときです。テーブルの上に大きな箱が差し出されました。
 ここからは、はやとさんのお誕生日祝いです。サプライズで弟と妹が準備してくれていた誕生日ケーキ🎂
 デッカかった😳😳😳
 しかも、蓋を取ると中から出てきたケーキには、でっかいトトロのイラストが❣️
 「はやとさんと言えば、トトロじゃろー」と、ケーキ屋さんにお願いして描いてもらったものだそうですが、そのできばえにはびっくり🫢‼️
 一同「ウォー!!すごーい!!」

 はやとさんの誕生日に父が亡くなり、誕生日ケーキを車に乗せて、実家に駆けつけたあの日を思い出しました。妹の「はやとさんは、うちと縁があったっていうことよ」の言葉も。

 父の写真の前で、誕生日ケーキ🎂をサプライズで出され、照れるはやとさん。
 父もきっとうれしそうに笑って私たちを包み込んでいるはず。
 千の風になって☺️