22歳の別れ、そして旅立ち


 今年大学を卒業する教え子が仲間と一緒に、てぃだにやってきました。まさこが教員時代に担任したのは、彼らが最後です。
 何人になるの?と、何度か確認しましたが、結局9人。車2台でやってきました。
 「オレら顔出しOKよ!」というので、編集なしで載せています😅
 下関市内でも一番生徒数が多い中学校でした。彼らとは、3年間をともに過ごしました。生徒数が多いほど、さまざまな生徒がいて、もちろんたくさんの問題行動もあり、悩んで、悩んで、辛かった時期でもありました。過労で気を失って倒れたこともありました(トイレで!ドラマのようにカッコよくはいかないね😅)。教員を辞めようと思ったことは何度もありましたが、それでも、踏ん張れたのは、やっぱり生徒たちが返してくれるこの笑顔だったんだなぁと、今更ながら思い返しています。
 彼らが3年生になろうか!という頃、他のクラスの生徒ではありましたが、新聞沙汰になる大きな事件が起こりました。この子たちと過ごす残りの1年を思うと、先が見えない不安の中で、自分が何を為すべきか考えあぐね、気づけば、校長室に走り「私を学年主任にしてください!」と訴えていました。
 さまざまな事情があってのことでしたが、転勤や他学年への移動などで、学年の教員の入れ替わりが激しく、結局、彼らと3年間という年月をともに過ごした教員は、まさこだけだった!という現実がそうさせたのだろうと思います。別な見方をすればただの衝動だった!とも言えますが😰
 今思い出しても、あの頃のまさこは、あと先考えず、ただただそのときの思いつきや自分の思いだけで突っ走っていました。
 今もだけど・・・、
 今日、また思うのです。
 そのとき、辛くても、苦しくても、目の前の現実から逃げないで、向き合っていれば、自ずと答えは生徒たちが出してくれるものなんだと。
 苦しみのさなかでは、そんなこと考えもしないのですが・・・。
 大波にもみくちゃにされながらも、波の中で生徒と一緒にもがいていれば、いつかどこかに打ち上げられるもの。そんなもの。どうにかなるさ!です。
 デパートで買ってきたの?と思うクッキーの詰め合わせを手土産に、まだ大人にもなり切らないあまちゃんの彼らが、旅立つ前にまさこに会いに来て、「元気でいろよ!」と声をかけて、帰って行く姿は、なんだかジンとくるものがありました。
 久しぶりの再会の教え子が何人かいて、すぐに名前が思い出せない子には、嫌な思いをさせたことだろうなぁと反省しきり。
 帰りの車の中で、中学生時代のその子のことを思い出してみると、穏やかで誠実な生徒で、困った顔のまさこにいつも笑顔を向けて、ちょっと心配そうにそっとそばに立っていてくれた子でもありました。
 毎日のように生徒たちが起こす事件に、落ち込むまさこを励ましてくれていたのは、そういう名前も思い出せない彼のような生徒たちだったのかもしれないなぁと、思えてきます。心の中で「ごめんね。思い出せなくて😥」と何度も謝りながら帰りました。
 やんちゃして悩ませられて、忘れようにも忘れられない子、時が経ち、名前も忘れてしまっているけれど、本当はそっとまさこを支えてくれていた子。
 人はそれぞれ。
 いろんな生徒に囲まれていたものだなぁ。

 一人ひとりの就職先を尋ね、暮らす場所を聞いて、笑いあって、時間は過ぎていきました。この日は夕方から、別な約束があります。もう帰らなければ!
 別れのときを前に「ブログに載せるから写真を撮らせて!」と、言うと「先生も入って撮ろう。」と。
 中学生だったあの頃には絶対言わないだろう言葉に、ちょっとびっくり。教え子たちにまざって、パシャリ。
 短かったけれど、いい時間をいただきました❣️

 ところで、実は、今日もちょっこし、やらかしました😰
 予定より遅れて到着の彼らを待つ間、道路に出て、私道の入り口をふさいでいる車止めを動かしておこうとゴソゴソしていると、窓を開けて笑顔でこちらに近づいてくる車が一台。「あら!もう到着したの?」と疑いもせず、「こっちに入って、入って!」と誘導しました。駐車場に案内していると、そのあとから見覚えのある顔の男の子が運転する車が私道に入ってきます😅???あれ?じゃあ、さっきの車は、誰?
 駐車場に停めた車から降りてきたのは、思い出そうにもどうしても思い出せない、記憶にない若者たち。しかも女性がふたり。あれ?女の子って誰か来ることになってたっけ?
 その人たちに近づいて「あの〜、私のこと知ってます?」と尋ねてみました。すると、一斉に「いいえ!」
 「私もあなたたちのこと、知らないの」とまさこ。
 キョトンとする若者たち。
 「ごめんね、ごめんね〜!知り合いと間違えちゃったわーー!」
 一方、見覚えのある顔の教え子たち、車から降りてきて、その子たちに「すみませんね〜。うちの担任が、迷惑かけちゃって〜!!」と、声をかけたことで、状況を認識したらしく、全員で大爆笑🤣
 先に駐車場に案内した見知らぬ若者たちは、展望所から角島大橋の写真を撮り、ありがとうございました〜!!と爽やかに去っていきました。
 「なんで知らん奴を案内しとるんかと思ったわー!」
 てぃだに入ってお昼を食べながら、しばし、その話題で、大盛り上がり😆
 粗忽者😱極まれり!!の巻でした。

 名前が思い出せなかった彼とまさこ😌